はじめに
「さんさ踊り」は岩手県盛岡市及びその周辺で古くから伝承され、1978年(昭和58年)からは統一した「盛岡さんさ踊り」が市内外の地域や企業などの皆様に親しまれて踊られるようになりました。8月1日から4日まで開催されるお祭りでは3万人以上の参加者と多くの観光客(2011年:136万人)をお迎えする東北でも屈指の大きなお祭りになりました。
私たち、「山岸さんさ踊り保存会」が伝承する踊りは、藩政時代(約400年前)から伝わる古い所作を残す踊りで、軽快にして変化に富みつつも極めて格調が高く、さらに他の踊り組みの小振り太鼓と相違し、尺八寸(約54cm程度)の太鼓から響き渡る迫力に、昔お国入りの藩主も長旅の疲れを忘れ「さあさ踊れ、さあさ踊れ」と囃されたものだと言い伝わっております。
また、歴代太夫とも古来の型の伝承には心血を注ぎ、いたずらに改良することは決して許されなかったため、各舞の由来も約400年の歴史を経て今に伝わっているところであります。